スキャンカット「SDX1000」が届いてから約1週間、毎日のように使っていろいろ試しました。
レザークラフトで活用するためコツなどを紹介します。
失敗も数多くし注意点も分かったので、それを踏まえて書きます。
目次
実用で使えるか?
結論から言うと、 十分実用で使え、作品のクオリティアップに役立ちます。
設計図通りの正確な値で切り出してくれるので、革包丁やカッターで切り出すより精度は高いです。
曲線を多用したものや、円を切り出すときに効果を発揮します。
曲線を取り入れた、革ピアスや、バッグチャーム、キーホルダーなどを作るのにスキャンカットは最高に相性が良いです。
量産なら抜き型を作るほうが良い
量産するならスキャンカットより抜き型を作るほうが良いです。
理由は、一瞬でくり抜ける、失敗することがない、ハンドプレス機があれば誰でも簡単に革をくり抜くことが出来るためです。
ただしハンドプレス機は9万円近くします・・・。趣味で手軽にハンドプレス機を購入できる金額ではないですよね・・・。
また抜き型は、小さいサイズで曲線を多用したものは特別料金がかかり高くなります。
上記の写真の猫の抜き型は5千円しました。
スキャンカットSDX1000は6,3000円(2022/6/17時点でのAmazon最安値)するので、こちらも高く迷う金額ではあります。
少量や趣味で使うならスキャンカットで十分です。
特にピアスやバッグチャーム、キーホルダーなどを作ろうと思っている方は、少量・多種類を作るのにはスキャンカットが最適です。
専門業者に依頼します。
浅草近辺にお店がたくさんあります。ネットでも探せばたくさんあるので、作るのには困らない時代です。
基本的には型紙(厚紙)を持参して依頼します。ネットで引き受けれくれるところは電子データで引き受けてくれるところも。
シンプルな形であれば2千円ぐらいで作れるので、思ったより安いと感じる方が多いと思います。
革を切断するコツ、失敗しないために
革の固定がとても大切
純正のカッティングマットは2,640円(2022/6/17時点のAmazonでの価格)もします。
粘着シートになっており、その上に切断するものを置いてカットする流れです。
革の場合、2、3回使うと粘着シートに床面の革のカスがついて粘着力が落ちてきます・・・(´;ω;`)ウッ…
そのたびにカッティングマットを変えるとお金が大変なことになります。
そのため、 カッティングマットの上に別途購入した粘着シートを置いて、純正のカッティングマットを使い続けるのがラニングコストを抑えるうえで重要になります。
先人の方が利用していた方法が、100均(以下はキャン・ドゥの商品)で売っている「ガラス破り防止シート」を使うことでした。
ガラスに貼る面が粘着シートになっており、それを利用してカッティングマットの上に粘着面を上にして張って使います。
効果はあったのですが、2、3回で粘着力がおちてきます。
半分にカットして使ったとしてコスパ悪かったです。
そこでAmazonで売っていた透明シールを買いました。
40CM×10Mで1,399円でした♪
カットするパーツの大きさ分だけカットして使えばコスパ良いです。
そして革の周りをセロハンテープで固定します。
なくてもうまく行くときもあるのですが、ズレて失敗することがあったので保険で固定した方が良いです。
1パーツ毎にカットした方が良い
296㎜×298㎜(12インチマット使用時)の最大サイズをカットできるので、1度に3、4つパーツをまとめてカットしたくなりますが、あまりおすすめはしません。
びっしりパーツを並べてカットすると、カット中にマットがズレて失敗しやすくなります。
カットした部分が浮き上がりそこが刃やローラーに当ってマットがずれたり、革の固定がしっかりされてなくてズレたり・・・。
カッティングマットや革が途中でズレると、余計な部分に切込みが入り、革が使えなくなります。
そのため手間ですが1パーツ毎にカットした方が失敗しにくいし、失敗した時のダメージも少なくて済みます。
どうしても一気 複数をカットしたい場合は、革の裏側にも両面シートを張ってしっかり固定するなど対策を撮るのが良いです。
色々試して、1パーツ毎ではほぼ失敗しなくなりました。
今は2パーツ一度にカットしたり少しずつ1度にカットするパーツを増やしたりして様子を見ています。
1パーツ毎と聞くと、それなら普通に革包丁でカットした方が早くない?と思う方もいらっしゃると思います。
私の意見は、面倒とは思いませんでした。
なぜなら設計図は電子データでパソコンやUSB、またはスキャンカットに保存していつでも呼び出せます。
アナログの紙だと保管場所など膨大になりますし、引っ張り出すのに手間取ることも。
電子データは場所をとらないし、フォルダで区切っておけばすぐに探せるしとても手軽と感じています。型紙と違って劣化もないです。
またカットは頭や集中力を使わないので、息抜きに動画を見ながら片手間でやったりできます。
それでいて人の手では真似できない、設計値ピッタリでカットしてくれるすごい機会です。
生地のカットは向いていない
お財布の内装で使うシャンタンの生地もカットしようと試しましたら失敗しやすく難易度高いです。
生地のカットには使わない方がよさそうです。
おすすめの設定変更
革をしっかり固定しても、カッティングマットがズレる現象に悩まされていました。
毎回発生するわけではなく厄介でした。
結果、設定を見直し発生しなくなりました。
設定を見直したものは 「切り込み量」を「0.5mmずつ」にしました。
これは1度にカットする厚さのことです。
初期状態では1mmでした。この量が大きいとカット時の抵抗が大きくなりカッティングマットがズレやすくなるようです。
0.5mmにすることでズレるリスクを減らしています。
場合によってはもっと小さい数字でも良いと思います。ただし値を小さくすると切断時間・回数が伸びます。
1.5mm厚の革を切る場合、0.5mmの切込み量だと3回に分けて切ります。
(実際は4回以上になることも)
消耗品のランニングコストに注意
スキャンカットは、消耗品で儲けるプリンタービジネスに似ていると思います。
消耗品の、替え刃は約3,300円、カッティングマットは2,640円と高いです。
※替え刃は、SDX1000以上の自動調整用とそれ以前ので型番が違うので注意
カッティングマットは純正品以外だめなので、上で紹介したように保護シールなどを使って半年~1年ぐらい持たせようと考えています。
一番気になるのは替え刃、高すぎです。
プリンターではBrotherはインク持ちが良く他のメーカーのようにインクで儲けている印象はなかったのですが・・・。
なお、替え刃は、互換品なら1,000~2,000円で出ています。
メルカリやAmazonで売っています。
時間かかっても良い方は、互換品の替え刃はAliExpressで安くあります。
メルカリで売っている人の多くはAliExpressで購入したものでしょう。
刃の交換目安
刃は約2000mでの交換が目安でした。
革の場合や私のように設定を変えている場合、何度も同じ場所をカットするのでもっと早く交換時期がくると思います。
使い倒して1、2か月に1度交換しようと考えています。
まとめ
スキャンカットSDX1000は、パソコンソフトや本体のメニュー表示がとても分かりやすく作られていると感じました。
マニュアルを見なくても迷うことなく直観で操作でき、1日あれば十分使いこなせました。
一番の難点はマットがズレて失敗することでしたが、繰り返しているうちに失敗しないコツがわかり、それからは快適に使えています。
CAD→スキャンカットでダイレクトに革を切断できる夢のような環境が手に入ったことにいまだにわくわくしています。
値段はしましたがレザクラ作家としては良い投資でした♪
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